ルワンダ虐殺の悲劇「ホテル・ルワンダ」

100日で50万人から100万人もの人々が虐殺されたというルワンダ事件を背景に、1200人以上の命を救った一人の男性の実話を映画化したという「ホテル・ルワンダ」を観てきました。

昨日に引き続き、近所のMovix堺のワンコイン(500円)キャンペーンを利用したものなのですが、昨日の「寝ずの番」といい、今日の「ホテル・ルワンダ」といい、Movix堺のプログラムディレクターの腕の良さには感激します。よくまあ、こんなにいい映画をみつけてきて、500円で観劇させてくれるものです。

ホテル・ルワンダは実話をもとにしたフィクションですが、民族の対立や虐殺だけではなく、紛争地域への他国の政治介入の問題や、ジャーナリズムの問題、家族愛、人種問題、大量虐殺に至る心理と狂気、といった難しいテーマが見事に織り込まれ、エンターテイメント的にも優れたストーリー進行に乗せて(息もつかせぬ展開!)、様々なメッセージを伝えてくれます。ここしばらくで一番、間違いなく僕が今年観た映画の中では最高の作品です。

何よりも衝撃的なのは、この映画が実話にもとづいたものであるということです。今からわずか10年とちょっと前に、50万人から100万人もの人々が虐殺されたという内紛事件があったとは、驚きです。確かに当時、日本でもいくらか報道されていたと思いますが、これほどの大事件だとは知りませんでした。ルワンダ紛争とは、以下のようなものだそうです。

フツ族とツチ族は元々は同じ言語を使い、農耕民族であるか遊牧民族であるかという違いでしかなく、貧富の差(国土の殆どが農作業にはあまり向かない痩せた土地であり、農耕業が主だったフツ族には貧困が蔓延っていた。逆に遊牧業が主な生業であったツチ族は、牛を多数所有するなど比較的豊かであった)がそれぞれの民族を形成するなど両民族の境界は曖昧であった。

しかし、フツ族の土地であったルワンダやザイール(現コンゴ民主共和国)、ブルンジにツチ族が入植し出すと、フツ族とツチ族が侵入者の駆逐といったような小さな戦いを始め、ドイツやベルギーは植民地化後に両民族間の対立を煽り、(イギリスが考案し世界各地で実践していた植民地経営の常套手段を参考・応用し、現地支配層として育成していた)ツチ族は「高貴(白人の血が混じっているというデマを活用)」、対するフツ族は「野蛮」であるという神話を広め始めると、ツチ族とフツ族は大きく対立し始めた。

(中略)

1993年8月にRPFの猛攻と国際世論の高まりにより、アルーシャ協定が結ばれ、和平合意に至ったものの、1994年4月6日にフツ族のジュベナール・ハビャリマナ大統領とブルンジのシプレン・ンタリャミラ大統領を乗せた飛行機が何者かに撃墜されたことに端を発して、フツ族によるツチ族の大量虐殺(ジェノサイド)が始まり、一説には約100日間で国民の10人に1人、少なくとも50万人が虐殺されたとされる

ルワンダ紛争 – Wikipedia Japnese

映画ではこの事件を、一人のホテルマンの視点から描いているのですが、その心理状態や考え方の変化など、壮絶の一言に尽きます。自然に引き込まれていくような巧みなストーリー展開、美しい映像、緊張感あふれる演技など、見どころは多いのですが、僕としては、内紛の構造と先進国の政治的軍事的な介入のあり方といった重いテーマを見事に描いているところに脱帽しました。

その素晴らしさと衝撃については、僕が一人で語るよりもAmazonのカスタマーレビューに寄せられた多くの感想を読んでいただければと思うのですが、この映画、歴史認識や政治認識を新たにする意味でも観ておいて損はない、否、観ておくべき映画だと思います。僕はかなりのショックを受けました。ルワンダ紛争の風景を知るだけでも、大きな意義があると思います。

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