神戸南京町の中秋節

旧暦8月15日である10月6日の中秋節(中秋の名月)の当日は、京都の智積院で観月会に参加したのですが、その翌日は「中秋節といえば中華街、月餅でしょ」ということで、神戸元町にある西日本最大の中華街「南京町」に行ってきました。中華街と言えばなんといっても横浜が有名ですし規模も格段に大きいですが、ここ南京町もまた、小さいながらも横浜とは違った楽しみがあって、なかなかよいものです。下の写真は東の入り口である「長安門」です。

今年は中秋節と3連休が重なっているため、この小さな中華街の中はなかなかに賑やかなものでした。後で調べたところ、中秋節を祝う期間(10月6日から9日)の中で、僕が行った7日の土曜日だけ獅子舞がなかったということもあって、賑やかとは言っても身動きが取れないほどではなく、楽しんで見物ができました。下の写真は「南京町広場」。

広場のお堂の祭壇の中では、何やら京劇の西遊記のような衣装の人たちが、子供たちと記念撮影したりしていました。

南京町は元町商店街から一本だけ南側の、元町商店街と平行して通っている東西に延びる道を中心としています。下の写真はその西門にあたる「西安門」。冒頭に掲出した「長安門」と、この「西安門」の間が中華街の中心部です。

さて南京町もまた横浜中華街と同様、観光客のお目当ては食べ物なのですが、ここは横浜中華街しか知らない人が見たら驚きます。何に驚くかと言えば、それは「価格の安さ」です。基本的に神戸の南京街は世界中のチャイナタウンと同様の「ジャンクフード担当」的な雰囲気で、道端での立ち食いが中心になります。道を歩きながら、気に入ったものを少しずつ買っては食べ、次に食べるものを物色する、といった案配です。横浜中華街なら、まるでお城のような高級店が建ち並んでいる一角があったりしますが、南京町にはそんなものは存在しません。イートインの店もほとんどすべてチープな店ばかりです。

下の写真は、ある店の軒先。団子や唐揚げや餅などが売られていますが、どれも100円〜200円程度のものばかり。横浜からするとおよそ1/2から1/3程度の価格です。それでいてどれも美味しい。

北京ダックだって切りたてが200円とかの単位で立ち食いです。

奥に写っている餃子を一人前(300円)頼んだら、これだけにも大きな餃子が4つとかなりのボリュームなのに、大きな焼売を一つと串に刺さった腸詰めを一本、オマケしてくれました。これだけでも食事として十分なくらいです。

豚足とミミガーを煮込んでいる鍋もありました。これは挑戦しませんでしたが、おそろしくいい匂いがしていました。

麺類ならこんな感じの価格設定です。チャーシュー麺や天津麺が250円くらい、フカヒレとアワビが入っても350円くらいが標準。こうなると横浜とはケタが違ってきます(ただしここでは立ち食いですが)。僕はアワビとフカヒレが入ったお粥をいただきました。美味しかったです。

ここに行くと、店先で売られている饅頭や団子や揚げ物に目移りして、ちょこちょこと味見しているうちに、いつも立ち食いだけでお腹がいっぱいになってしまい、ちゃんとした食事はなかなか摂れません。でも、たまには行きたくなる面白いところです。

興味のある方はぜひ足を運んでみてください。何も知らなくてもそれなりに楽しめると思いますし、横浜中華街を知っている方ならより一層、雰囲気や売っているものの違いなどを楽しめます。イベント情報などは公式サイトが参考になるでしょう。