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賑わいを演出するデザインからの脱却

賑わいの演出というものは、商店街の景観デザインや小売店の商品陳列などでは特に顕著ですが、デザイン上の重要な課題となり得ます。商店街を賑やかに飾り付けたり、店舗内の陳列法やポップを賑やかにしたり、といった形で、人で賑わっている雰囲気作りを行うことで、より多くの人を引き寄せ、商店街全体の活性化を図ったり、店舗の売り上げ向上を図る、といった具合です。

そうした試みはオンラインでも同様に行われています。B2Cの小売りサイトがその典型ですが、これらのサイトでは、デザインやシステム上の工夫によって賑やかな雰囲気を醸しだし、アクセスしてきたユーザーに対して「賑わっている」「人の気配がある」といったイメージを演出します。楽天市場内の各店舗のデザインなどを見ると、こうした試みがある程度効果的なのであろうことは確実です。

こうした賑わいを演出する試みが持つ意味は、ユーザー視点からは、次のような思考の流れで表すことができます。

  1. 多くの人で賑わっているようだ
  2. きっと優良な人気店であるに違いない
  3. 安心して利用できそうだ
  4. 自分も利用してみよう
具体的には、赤やオレンジ、イエローなどの彩度の高い色を使って配色したり、ユーザーの声を随所に差し込んだり、各種のキャンペーンの告知を目立たせたり、といった方法が採られます。こうした賑わいの演出は、オンライン・オフラインを問わず、一定の効果があるもので、実際に多くの店舗や販促物やウェブサイトで使われています。賑わいの演出には、チープさや気易さや親近感を高めたり、多くの人に利用されていそうだから自分も、といった行動を促す効果があるというわけです。

さて、そこでブログのデザインです。僕は昨日、ブログのデザインに小さな変更を加えました。これらはいずれも、賑わいを演出する狙いで行っていた従来のデザイン(一定の効果はあったと思います)の特徴を取り去る目的のもので、前のめりな印象の強かった以前と比べると、かなり控えめな印象になったのではないかと思います。主な変更点は次の通りです。

以前から僕は、大西 宏のマーケティング・エッセンスや、(AMNの広告が表示される前の)メディア・パブなどのように、非常に有名で読者も多いのにもかかわらず、静かで控えめな雰囲気で淡々と運営されているブログに憧れていました。上記のいずれのブログも、僕の両親と同世代にあたる団塊世代のおじさんが運営しているものですので、その豊富な社会経験から語り口自体が抑制の効いたものになっているのだ、という見方もできるかもしれません。しかしそういった部分を別にしても、デザインもまた控え目で無駄がなく、好ましい(クールなデザインだとかそういう意味ではなく)と思っていました。ぜひ真似したい、よいお手本です。

しかし、静けさの演出や控え目なデザインが効果を発揮するためには、そこそこの知名度があるというのが最低限の条件になるようにも思います。喧噪を避け、静かなたたずまいを演出することで、知る人ぞ知る秘密の場所であることを演出する、というのは、ある程度の知名度がないと成功しにくいように思えるのです。逆に言えば、読者の少ないうちは、ブログのデザインは少し賑わいを演出するくらいでちょうどよい、ということでもあるでしょう。

そこで僕のブログです。ながらく賑わいを強く演出してきた僕のブログは現状、僕自身の許容範囲からすれば、すでにかなりの読者がついてくれている、といっていい状態に達していると思います。まあ、並み居る有名ブロガーの方々とは比較にもなりませんが、エントリを更新するたびに数千から数万のアクセスがあるというのは、少なくとも僕にとっては、かなりの緊張感をともなう状況なのです。

そろそろ、賑わいを演出したデザインは卒業しよう、と僕は考えました。現状でも、前回の更新から約一ヶ月間ずっと更新せずにいたのに、その間におよそ200名程度の読者が新たに加わりました(FeedBuerner調べ)。こうなってくると、ことさら無理に読者の増加を狙わなくても、自然な読者の増加だけでも十分すぎるくらいです。これからは、静かに控え目に、という段階へとブログをシフトさせようと思います。ある程度の固定の読者がついていれば、知る人ぞ知る秘密のブログ、という方向性を狙うのも悪くないんじゃないか、と思うのです。

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