特定のどのエントリに対する反論、というわけではないのですけれども。
インターネットにおけるビジネス関連の言論圏に身を置いていると、やれ経営だのマネジメントだの、自己啓発だの能力開発だのライフハックだのといった言説によく出会うわけですが、はっきりいってもう僕はもううんざりです。「資本主義の奴隷として最適化された俺は勝ち組ですげー」みたいな話とか、もう聞くに堪えないんです。
個々人が労働者としての価値を最大化し、そうした最適化された労働者(まあ言わば資本主義の奴隷)があふれる世界のことを「豊かな社会」と呼んだりとか、どんな欺瞞だよ、とツッコミの一つも入れたくなります(自分自身がかつてそう考え、そう行動してきただけにより一層ね)。
昨今ではネットの一部では学歴とかの話も盛り上がっているようですけれども、さらに僕個人としては大学っていうのは行ったことがないのでよくわからないんですけれども、最近の大学は価値の高い労働者を排出する機関としての役割が期待されているみたいで、それがうまくいっていないといって非難を浴びたりしているようですね。でも、それって何か根本的に間違ってるんじゃないか、と僕などは思ってしまうわけです。
そもそも大学って、学生にとっては学問を修めたりモラトリアムを楽しんだりするところですよね? いつから拝金主義者(または守銭奴、または資本主義の奴隷、または最適な労働者)の養成所であることを期待されるようになったんでしょうか? ホント意味がわからん。みんな拝金主義的労働者になるために大学に行くの? だとしたら大卒者ってのは世界一つまらない人種ですよね。
まあもっとも、僕自身は資本主義を否定する気など毛頭無く、お金はいくらあっても邪魔にはならないと考えていますし、それどころか銭儲け(商売と言ってもいい)は本質的に楽しいものだとも思っています。さらに、仕事を通じて社会や人の役に立つことは人として嬉しいことであるのは否定のしようもありません。だからこそ僕だって、高卒という低学歴の無い知恵を絞って、本を書いたり会社を経営したりしているわけなんですが。
しかし最近になって、人生における可処分時間の大半を銭儲けやその準備に費やし、自ら進んで拝金主義の守銭奴(または最適な労働者)となるべく邁進することを良しとする言説がネット上にもあふれるに至って、もうまったく意味がわからなくなってきました。それが人間の生き様として悔いのないものなのか、と。
よりよい資本主義の奴隷となるためにモラトリアムの期間やプライベートの時間までも費やして拝金道に邁進し、社会に出ればより効率よく肥え太るための最適なルートを目指して修羅場を勝ち抜き、結果としてまんまと肥え太った拝金豚のような奴が勝ち組と称されてしまうような社会に、何の疑問もなく飛び込んでいき、日々戦い続けている奴らが、僕と同じ人間だと思うと薄ら寒い思いに駆られてしまうのです。それって何てモーレツ社員? あ、企業戦士っていうの?
人生における時間が限られたものであるのに、銭豚になること、奴隷として最適な自分になること、自分を高く売るための準備に人生の時間の大半を費やすこと、などのために消費する時間を、今の人たちは不毛なものだとは思わないんでしょうか。みんなそんなこと本気で言ってるの? それって本当に人生の成功と言えるの? もしかして覚醒剤中毒? それか躁病か何か?
どうせいつかはみんな死ぬ(しかもあとわずか30〜40年後くらいには)のに、死ぬ前にやっておきたいことが資本主義の奴隷だとか、死ぬまでになりたい自分が守銭奴だとか、僕からしたら正気の沙汰とは思えません。そのあげくに、自分と価値観の違う人をバカ呼ばわりとか、さすが勝ち組ですね立派です(棒読み)。
実際のところ、他者に認められるということは、それ自体が人の生き甲斐として、または人生の大きな喜びとしてあり得ることですし、これは確かなことでしょう。しかしだからといって、奴隷としてや守銭奴として認められたって、僕はちっとも嬉しくありません。
むしろ僕が誰かに認められることがあるなら、仮にそれが世間の常識とは合致していなかったとしても「自分の人生を生きた人」と称されたいのです。その結果が貧乏だったとしても、短命だったとしても、いわゆる負け組だったとしても、その気持ちに変わりはないでしょう。僕はきっと、僕という人間が僕の自意識の通りの人間であるならば、豚になるために生まれてきたわけではないからです。
そんなこんなでちょっと長くなってしまいましたが、まあ結論を言ってしまえば、自分が銭豚たることを良しとする人はそれに向かって勝手に邁進すればよく、だからといって銭豚ではない人々(または最適な労働者でも資本家でもない人々)までそれに巻き込もうとしないでね、価値観が違いすぎるし余計なお世話なんで、といったところです。
いいオチが見つからなかったことが残念です。
ブログ内の関連する記事
トラックバックURL

