Social Media Marketingという用語

ソーシャルメディアを企業活動に利用する、という文脈でしばしば登場する言葉に、ソーシャルメディアマーケティング(Social Media Marketing: SMM)というものがあります。最近わりと目にする機会の多くなってきた言葉です。

でもこれ、僕は個人的には、あまり好きになれない。

なぜかというと、ソーシャルメディアマーケティングという言葉が暗に示しているような、人と人のつながりや絆を利益に換えるという考え方に、どうにも企業の強欲さというか厚顔さというか、そういうものを感じてしまうからです。

ソーシャルメディアというのは、その言葉の通り「社交の手段」といったようなものなので、マーケティング(売れる仕組み作り)に使うというよりは、(特に個人の)エンパワーメントに使うほうが健全であるように思います。

人脈や絆を金に換えるなら、それは従来からあるネットワークマーケティング(連鎖販売取引・マルチ商法)でいいんじゃないかと思うんです。なんか意味も語感も似てますし、実際その種の方々はソーシャルメディアを大いに活用されているようですし。

また、人々の対話や情報共有を金に換える仕掛けをソーシャルメディアマーケティングと呼ぶのなら、それはクチコミを操作しようとするステルスマーケティングのような手法を想起させます。ステルスマーケティングはバレなければ有効なのかもしれませんが、バレたときのコミュニティの反発ぶり(時に炎上をともなう)を考えれば、歓迎される手法でないのは明らかです。

対話、絆の形成、情報の共有、コミュニティへの貢献、といったことは、ソーシャルメディアを活用する醍醐味であり、個人をエンパワーメントするものです。ソーシャルメディアを上手く活用することができれば、人や社会の可能性すら押し広げることができると僕は考えています。

似たような言葉にソーシャルメディア最適化(Socia Media Optimization: SMO)というものがあり、僕は従来からこちらを使ってきました。これは人と人との社会的なつながりや絆を強化し、生活者個人をエンパワーメントするというような意味合いの強いものです。

こういう姿勢であれば、企業による活用もあり得るでしょう。もちろん個人の場合と同様に、対話、絆の形成、情報の共有、コミュニティへの貢献、といった活動を行うことで、ユーザーや取引先やそれらのコミュニティとの絆を深めるというアプローチです。ロイヤリティ醸成とかブランド構築あたりが目標となるでしょうか。

まあ用語なんて別にたいした問題ではありませんので(たいていは単なる流行ですし)、それを何と呼ぼうといいんですが、ただまあ、売りたい売りたいという姿勢でソーシャルメディアに飛び込むのはあまりお勧めできませんね、ということです。

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