もうかれこれ2年かもう少しの間、各所から継続的に、SMO がうまくいかない、という相談をいただいています。内容はというと、社長ブログとか広報ブログとかをやっているものの、思うようにはトラフィックは伸びず、したがって思うようにはクチコミも広がらず被リンクも増えない、というようなものです。
しかし、うまくいかないというブログを見てみると、そのことごとくが、ただ書いているだけ、というブログ。ブログを書くというのはまあ結構なことなんですが、しかし、それだけではSMOをやっているとは言えません。SMOというのは双方向のものなのです。
こんな失敗(というか勘違い)が頻発するのはなぜだろうと考えていたところ、思い当たったのは、もしかしたら SMO(Social Media Optimization)を単純に「ソーシャルメディア最適化」と訳して紹介されていることが、失敗の一因かもしれないな、ということです。
というのも Social Media という言葉は、本来は「社交の手段」とかそんなような意味合いを強く含んだ言葉なんです。社交の手段というような意味を踏まえた上で、ブログとかSNSとかフォトシェアリングとかビデオシェアリングとかソーシャルブックマークとかみたいな、いわゆる「共有サービス」全般を指しているわけです。要するに、共有サービスというのは社交が前提なんです。
社交というと、僕ならカクテルパーティーとかそういうものを想起するのですが、それを例にすると、カクテルパーティーの場で社交として行われることというのは、個人同士で挨拶しあったり、友人や知り合いを紹介しあったり、情報を交換しあったり、雑談やうわさ話をしたり、時には議論したり、といったようなことです。これが社交。
もちろん実際のカクテルパーティーの会場には、片隅で一人グラスを傾けながら壁に向かって独り言をつぶやいているような人もいるにはいます。付き合いで仕方なく主席したような会合の場では、僕自身だってそういう人になりがちです。でも、それだったら出席しなくても同じか、出席しない方が気楽でいいくらいです。社交の場で社交をしないなら、出席する意味がありません。
ここで SMO に話を戻します。Social Media Optimization を「ソーシャルメディア最適化」などという不親切な言い方ではなく、より本来の意味に近づけて「社交手段の徹底活用」のような言い方をしていれば、冒頭で述べたような失敗は防げたのではないか、というのが、いま僕が考えていることです。
ブログを開設するというのは、いわばカクテルパーティーに出席するようなものです。せっかくそこまでしておいて、他の人に挨拶もせず、知己を紹介しあうこともせず、情報を交換することもせず、歓談することも議論を交わすこともせず、ただ片隅で独り言をつぶやくというのでは、何の意味もありません。他者と交流しなくては、社交は成立しないのです。
他のブログとの交流を避け、ブログのコミュニティに参加せず、つまりは社交を行っていない状態で「SMO がうまくいかない」などと言われても、僕からすれば、そもそも SMO なんてやってないでしょう、としか言いようがありません。営業職の社員をカンファレンスやパーティーに送り出すとき「名刺をn枚あつめるまで帰ってくるな」とか言っているその同じ人のブログが寒い、などというのは笑えない冗談です。
もちろん、社交を意図しないブログもあるでしょう。個人的なつぶやきや所感や近況などを、ごく近しい人々だけに向けて、あるいは個人的なメモとして、書き留めていくようなブログです。こういうブログなら社交は必要ないかもしれません。しかし少なくとも、社長ブログや広報ブログというのは、そういう性質のものではないはずです。
ブログを通じてトラフィックを集めたり、クチコミを広げたり、または被リンクを集めたり、ということを意図しているなら、Social Media とは社交の手段を意味することや、ブログはカクテルパーティーのようなものであるということを意識した上で、本来の意味での SMO(僕は「社交手段の徹底活用」くらいがふさわしいと考えます)を始めてみることをおすすめします。うまくいかないなどの結論を出すのはそのあとです。
ブログ内の関連する記事
広告
