昨日のSEMリサーチの記事で、Googleがウェブマスターツールに「有料リンクを報告」というページを追加したことを知りました。さっそくアクセスしてみると、次のような説明がありました。
Google では、ユーザーによりよい検索結果を提供するため、ユーザーと検索エンジンにとって分かりやすい明瞭なコンテンツを作成するようお願いしております。しかし、すべてのウェブ サイトがユーザーを考慮して作られているわけではありません。自身のサイトへの有料リンクという形で PageRank™ を「買おう」とするサイト所有者もいます。リンクの購入による PageRank の向上は、Google の 品質に関するガイドラインに違反します。
この「有料リンク」ですが、海外では「link buying」や「paid links」などと呼ばれ、一時期にはとても流行したSEOトリックです。日本語圏ではまだまだその効果も取扱業者も健在で、例えば、次に例示するようないわゆるSEOの激戦キーワードにおいては「有料リンク」を使わない限り上位に表示されないほどです。
さて実際に、上記のキーワード群で1ページ目くらいに表示されるページのバックリンクをざっと調べてみましょう。下のフォームにURLを入れるとバックリンクを検索できます。
調べてみればわかるとおり、上記のようなサイト群からは不自然なバックリンクがたくさん見つかります。例えば、
- ニュースサイトや人気の個人サイトなどに設けられた広告枠から直リンクしているもの
- SEO業者所有のサイトから直リンクしているもの
- ブログサービスの広告枠から直リンクしているもの
- アクセス解析ツールの設置用ソースの noscript要素内に仕込まれたリンクからSEO業者所有のURLにリンクし、さらにそこからSEOの対象となるURLに301リダイレクトしているもの
などなどです。少なくとも日本語圏では、こうした施策によるSEOが威力抜群なのは、検索結果を見た通りです。これでは、Googleが困ってしまうのも無理はありません。そこで、ウェブマスターツールに「有料リンクを報告」というページを追加するなどして対策を練っているわけですが、では、そのページからGoogleに有料リンクを報告したとして、有料リンクを買っていたサイトや売っていたサイトが速やかにペナルティを受けるかというと、それは期待できません。
それは、スパム報告フォームやインデックスのスパムを報告するページ(要ログイン)などから報告を行った場合と同様で、Googleはそうした報告を「今後のアルゴリズムの調整に役立てる」だけで、人の手をかけて個別に対応するようなことはほとんどあり得ないからです。次の二つの文章が、Googleの姿勢を端的に表しています。
リンクの購入や販売を行っているサイトをご存じの場合は、ぜひ下記にご記入の上、お知らせください。送信内容を調査させていただくとともに、お送りいただいたデータを有料リンクの検出アルゴリズムに役立たせていただきます。
Google では、スパム行為の報告をひとつずつ徹底的に調査し、不正が発覚した場合は適切な処置を取ります。また、スパム報告のデータを使って、サイトの順位付けやフィルタリングのアルゴリズムの改良を進めてまいります。このような努力の成果は、検索品質の向上として表われるでしょう。
これらはいずれも、報告された内容を調査するとしていますが、少なくとも日本語圏においては、今までのところ個別に対応されたとおぼしき事例はほとんどありません。こうしたことから考えられることは、ウェブマスターが一生懸命ライバルサイトを報告したとしても、即時の人的対応は望めず、対応はアルゴリズムの調整という機械的な形で、じわじわと行われるだろう、ということです。
まあ、「リンクを買う」ということについては、ほとんどのウェブマスターには無関係なことでしょう。大量のリンクを買い付けているのはごく一部のサイトに限られていますので、普通のウェブマスターにとっては何も関係がないからです。しかし、問題は「リンクを売る」行為です。私たちは知らず知らずのうちに、リンクを売っているかもしれないからです。
例えば、次のような場合には、「リンクを売っている」とみなされる可能性があります。
- コンテンツとは無関係なテキスト広告が挿入されるタイプの無料スペースを使用して、ブログやサイトを運営している
- 設置用のタグの中に無関係なサイトへのリンクを複数含むアクセス解析ツールやブログパーツを使用している
無料のブログスペースやホームページスペース、アクセス解析ツールやブログパーツなどを使用している方は、それらのソースの中に不審なリンクが挿入されていないかどうか、今一度ソースを確認する必要がありそうです。根拠は、Googleの品質に関するガイドラインにある次のような記述です。
サイトの順位や PageRank を上げるように設計されたリンク プログラムに参加しない。 特にウェブ スパマーや不正なウェブ サイトへのリンクは行わないでください。これらのリンクにより、サイトのランクが下がることがあります。
中略
サイトが品質に関するガイドラインに従っていない場合、インデックスから除外される可能性があります。 サイトが上記のガイドラインに従っていない場合は、ガイドラインに沿ってサイトを修正し、再審査用に送信してください。
検索エンジンを欺く意図などまったくないのに、もちろんリンクを売って儲けているわけでもまったくないのに、気づかないうちにリンク売買に加担しているとみなされては困ります。皆さんのサイトのソースは大丈夫ですか?
