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現状の企業サイトはノイズの固まりにすぎない

一人のユーザーとして、僕は毎日のように幾度となく検索を使い、その都度、目的の情報が見つかるまで検索を続けています。時には一度の検索で目的の情報に辿り着けることもありますが、多くの場合、キーワードやその組み合わせを変えたり、検索結果に表示されたページのリンク先を辿ったりして、とにかく目的の情報が見つかるまで検索します。

以前に比べれば、検索エンジンはずっと賢くなったので、無駄に検索結果をクリックして回るようなことは少なくなりました。しかしそれでもなお、今も変わることなく僕は、検索結果に表示されたものの中から望むものがありそうなリンクをクリックし、そのページに望んでいる情報がないことを確認すると、ブラウザのバックボタンを押して検索結果に戻り、探しているものが見つかるまで同じようなことを繰り返します。

そして、Webだけでは目的の情報に辿り着けないことも多々あります。そんなときには、メールや電話を使って、その情報を持っていそうな人や、その情報を持っている人を知っていそうな人に連絡を取ります。

きっと、程度の差こそあれ、多くのユーザーが似たようなことを、毎日のように繰り返しているのではないかと思います。どう考えたって、僕のしていることが特別なことだとは思えません。

多くのユーザーが僕と同じような検索行動を採っていると仮定するなら、SEOに関するとてもシンプルな答えを導き出すことができます。それは「ユーザーが求めているものと一致した情報を公開すれば、ユーザーは必ずそれを探し当てる」ということです。

逆に言えば、「ユーザーが探している情報は、検索結果の表示順位に関係なく、それを求めているユーザーに必ず届く」ということです。

であるなら、Web上でマーケティングコミュニケーションを成立させようとする場合、まずすべきことは「ユーザーが探しそうな情報を提供する」ということなのではないかと僕は考えます。

しかし現実には、探している情報を見つけるまでの過程において、何かを売りつけようとするだけのために作られたようなメッセージを見せられてしまうことも多く、少なくとも僕は、そのたびに軽く苛立ったり、落胆したりします。そしてその苛立ちや落胆といったネガティブなイメージは、そのマーケティングメッセージを僕に押しつけようとしたブランドとセットになって、僕のエクスペリエンスの一部として残っていきます。これは明らかに、ブランドへのダメージだと言えるでしょう。

その反面、情報を求めてWebを検索していたときに、その情報を提供してくれた人や企業や団体は、感謝の気持ちや信頼感とともに僕の記憶の一部に残ります。そうした良好なエクスペリエンスこそが、ブランドへの信頼を形成するコミュニケーションの第一歩であると、僕は確信しています。

ここでの問題は、求めているような情報を提供してくれるサイトの大半が、一般的な企業サイトではなく、個人のブログやニュースサイト、クチコミ系サイト、公的機関のサイトばかりであることです。ほとんどの企業サイトは、少なくとも検索者にとっては、売り込み口上と恣意的な情報だけが詰め込まれた、言わばノイズの固まりのような存在でしかありません。

販売のために用意されたような恣意的な情報や、一方的な売り込み口上を選んで探しているユーザーは、きっとそう多くはないはずです。また、そうしたものにリンクしたいと考えるユーザーもそう多くないでしょう。そうであるなら、販売のための恣意的な情報や売り込み口上ではないもの(それを見つけるまでユーザーが探してくれるような情報)を中心にサイトを構成すべきだと考えるのは自然なことだと思うのですが、どうなのでしょうか。

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