もう数日前のことになりますが、このブログのデザインを一新しました。かなりの部分を変更したのですが、主要な目的は広告掲載の最適化です。Adsense や Amazon アソシエイトなどの広告リンクをスマートに挿入するためにデザインを見直した、というわけです。ポータルサイトやニュースサイトなど、広告収入によって運営されているサイトでは、コンテンツと広告がビジュアル的に統合されており、広告はコンテンツの邪魔をすることなく、それでいて広告自体も効果的になるようにデザインされているのを見ることができます。そうしたデザインをこのブログでも実装しようとした結果がこのデザインです。
特徴的なのは、3カラム構成の各ブロックの横幅が、標準的な広告のサイズに合わされていることです。グラフィカルなブラウザ(IE や Firefox や Safari など)で見た場合、以下のような形式になっていることがわかると思います。
- メインコンテンツが表示される左カラムの横幅が、標準的なバナー広告(レギュラーバナー)と同じ 468px
- カテゴリメニューやタグクラウド(今回のリニューアルで導入しました)が表示される中央コラムの横幅が、標準的なレクタングル広告(レギュラーレクタングル)と同じ 300px
- Feed 情報や 月別アーガイブのリンクが表示されている右カラムが、ワイドスカイクレーパート同じ 160px
このようなレイアウト構成にすることによって、広告が閲覧者の視線移動を邪魔することを少なくし、ユーザビリティを低下させることなく、デザインの中に広告を融合させています。こうしたことを行うのには理由があります。僕の私見ですが、ブログと広告の関係は以下のようなトレードオフになっているのではないかと思うのです。
- コンテンツに対して広告のほうが目立つ場合、ページビューあたりの収益は向上するが、ページビュー数が低下する
- コンテンツに対して広告が目立たない場合、ページビューは伸びるが、ページビューあたりの収益は低下する
広告掲載はブログ運営の収入源として重要かつ無視できないものですが、闇雲に広告の CTR を向上させることばかりを狙うのではなく、ページビューと広告の CTR のバランスを取りながら、総体的に収益を向上させていくことを狙うのが得策なのではないかと考えたわけです。こうした取り組みは、冒頭で紹介したように、ポータルサイトやニュースサイトなど、広告収入によって運営されているサイトでは普通に行われています。しかし、そうした手法が個人のブログに実装されている例はそう多くは見られません。
数日から数週間といった短期的なスパンで見れば、広告を目立たないようにした場合、CTR の低下にともなって広告収益も低下します。しかし、数ヶ月のスパンで見れば、広告掲載を控えめにしたとしても、ユニークアクセスとページビューが増加することによって CTR の低下が相殺され、むしろ収益が向上する、というわけです。これなどは、ユーザビリティの向上がサイトの収益に直結する例の一つに数えてもいいかもしれません。
リデザインにあたって重点を置いたのは、サイト内での回遊性を高めることです。中央カラムに表示されているカテゴリメニューは、横幅を大きく拡大したことによって表示できる文字サイズが大きくなり、折り返し(改行)もなくなりましたので、ナビゲーションが少しはスムーズになりました。また、サイト内検索の表示位置を目立つ場所に移動したり、タグページやタグクラウドを追加したり、といった変更によって、回遊性はかなり向上したと考えられます。
リニューアルからまだ数日しか経過していないので、まだ判断するには時期尚早ですが、現時点でユニークアクセスあたりのページビュー数が平均で 1ページビュー以上向上しています。一般的にブログは、新着エントリや話題のエントリだけを閲覧するユーザーが中心なので、ユニークアクセスあたりのページビューは低い水準で推移します。そんな中でユニークアクセスあたりのページビューが平均して 1ページビューほど増加したということは、割合にすれば、一日あたりのページビュー数が 30% 程度向上したことになる計算です。こうしたことが、結果的に広告収入の増加につながれば、まさに目標達成といえるでしょう。
また、今回のリニューアルから、今までは部分的にしか配信していなかった Feed の配信を、全文配信に変更しました。これによって、RSS リーダーのユーザーはサイトにアクセスすることなく全文を購読できるようになりますので、短期的にはサイトのトラフィックが減少することは確実です。しかし、Feed 購読者の利便性を高めることによって、Feed の購読者が増加し、コンテンツがより多くの人に読まれるようになれば、結果は後からついてくると考えて全文配信に踏み切りました。まとめると、以下のような考えです。
- Feed の購読だけで完結する購読者の割合が増えれば、ブログ本体のトラフィックが減少し、広告収入の低下をもたらす
- その反面、Feed 読者が増えれば、それらの読者がブログやソーシャルブックマークなどのソーシャルメディアを通じて反応を起こすことによって、新たなトラフィックがブログにもたらされ、広告収入の増加につながる
つまり、Feed 経由であろうとコンテンツ自体の読者が増加すれば、それに応じてソーシャルブックマーキングや言及リンクなどを通じてサイトに訪れるユーザーもまた増加し、やはり結果的には広告収入の増加につながるだろうという予測しているのです。Feed でコンテンツの全文を配信し、そこを起点にソーシャルメディア経由のトラフィックを増加させるという考えは、実のところ FeedBurner の フィードフレア機能なしには考えられなかったことです。実際にブラウザからでも Feed にアクセスしてみていただければ分かるとおりですが、配信されている Feed の各エントリごとに、ソーシャルブックマークに登録するためのリンクが付加されています。これがうまく機能すれば、結果的にはサイトへのトラフィックも増大し、広告収入の増大にもつながる、というわけです。
また、僕のブログは現在 FeedBurnerアドネットワーク(FAN)の承認審査中で、承認されれば Feed 広告が配信されるようになります。僕自身では Feed 広告をクリックしたことがないので、これがどれほどの収益につながるかはあまり期待できないのですが、効果は小さくても収益源の一つになれば、それは個人ブログとしての一定の成功とみなしてよいのではないかと思います。
このブログを開設したのが去年の2月ですので、現在で開設からおよそ1年と少々が経過した計算になります。ブログとしてはまだまだ新参で、運営期間も短いものですが、一応僕もウェブ関連マーケットの一端を担う人間の末席に立場しています。ですから、このブログの運営についても、「たかが個人ブログ」などと考えず、新しいことをどんどん試し、ほんの少しでも成果を拡大できるように試行錯誤しつつ、有用なノウハウが得られれば購読者の皆さんとシェアしていきたいと考えています。ウェブサイトの制作やウェブマーケティングの仕事に携わっていながら、個人ブログの一つも成功させられないようでは、プロとしての沽券に関わりますから。



