西国三十三観音霊場の第29番、青葉山 松尾寺(まつのおでら)の奥の院は、若狭富士とも呼ばれる青葉山の山頂にあり、境内から険しい道を2kmほど登ったところにあります。今は季候のよい時期ですので僕のような初心者でも登頂が可能でしたが、途中は難所が連続するため、盛夏や雪のある時期の登山は中級者以上でないと難しそうです。また、後で知ったのですが熊の生息地でもあるとのことで、登山者は皆、熊よけの鈴を腰に付けていました。下の写真は松尾寺の境内にある登山口です。

道のりは全体で2kmほどですが、登山口から200mはよく整備された道で、竹林の中を苦もなく進みます。

やがて「青葉山・山頂まで1.8km」と書かれた道標が出てきます。この少し先までは楽々進めます。

道標のある場所を過ぎてしばらく歩くと、鳥居が出てきます。ここから先が妙理大権現の神域ということなのでしょう。道も急に険しくなってきます。

鳥居を過ぎて間もなくすると、道は道でなくなります。獣道のようなところはまだよい方で、下の写真のように木の根を足がかりに急勾配を登るような場面が何度も出てきます。当然、二足歩行は困難です。

下の写真から、勾配の厳しさを想像してみてください。少し足が滑っただけでも命取りになるような急勾配です。

岩の凹凸と、岩に根ざした木の根を頼りに進みます。まだ4分の1程度しか進んでいませんが、すでに息は上がり、全身汗だくです。

ロープを頼りに岩場を登る場面も何度かあるのですが、これが最初のものです。僕は慣れていないのでかなり怖かったです。

土の斜面も傾斜がきつく、写真ではわかりにくいかもしれませんが、ほとんど土の壁を登っているような感覚です。

ハシゴとロープが並んで架かっている箇所もありました。下の写真は登った後で上から見おろしたものです。

道程の中盤あたりだったと思いますが、道を倒木が塞いでいるところもありました。手前の細い倒木は上を乗り越え、奥の太い倒木は下をくぐって通り抜けました。

足がかりとなる木の根も常に安定しているわけではなく、地面から浮き上がったようになっているところもあるので、慎重に歩を進めないと簡単に足を挫きます。

2回目のハシゴです。この頃には感覚が麻痺してきたのか、あまり怖さは感じなくなってきました。

ずっと暗い森の中を歩いていたのですが、道の向こうに空が見えるようになってきました。頂上までもう一息です。

急に広い場所に出ると、そこが奥の院でした。灯籠が二基と、妙理大権現の祠がありました。

祠に近寄ってみると、おそらく熊から権現さんを守るためのものと思われる頑丈そうな柵の隙間から、内部を覗くことが出来ました。

しかし山頂はまだ上のようです。先へと進むと、3回目のハシゴが出てきました。

ハシゴを登り切ると、小さな広場になっていました。山小屋や何かの社があり、今まで登ってきた松尾寺側を見おろすことが出来ました。この時点でもかなりよい気分ですが、展望台はまださらに上です。

何かの社の向こうに大きな岩があり、ロープが架かっています。そこが山頂の展望台でした。

社の後ろ側からロープのあるところまで行きます。上を見上げると、ちょっとした恐怖に襲われます。

しかしここまで来たのですから登らないわけにはいきません。気合いを入れてロープに手をかけます。

そして手に入れた最高の眺望! 内浦湾を一望のもとに見渡す大パノラマです。

登ってきた方を振り返ると、眼下に山並みが続き、こちらも大パノラマでした。もう大満足で、厳しい登山の疲れも吹き飛びます。

展望台の上で、最高の眺望を満喫しながら身体を休め、下山しました。登りに要した時間は1時間10分、降りに要した時間は50分でした。下山後は、松尾寺の境内の権現社に無事の下山を報告しました。疲れましたが、いい経験になったと思います。

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