昨晩は深夜に突然誘われて、瀬戸さんとラーメンを食べに行ったのですが、その帰り道、堺の蕎麦の話が出ました。で、そこで話した堺のおいしいお蕎麦屋さんを紹介したいと思います。その蕎麦屋、堺市宿院町西1丁1-16、「ちく満(ちくま)」さんです。温盛りのせいろ蕎麦(熱い状態のそばがせいろに入って出てきて、それを熱いつゆにつけて食べる)では、おそらく日本一有名なお店。とはいえ温盛り自体がマイナーなので、関西の人でなければあまり知らないかもしれません。

このお店は創業元禄8年という老舗で、メニューは温盛りの蕎麦と酒のみ。蕎麦は一斤、一斤半、二斤、おかわり、というラインナップで、出てくるのはどれも同じ蕎麦。量が違うだけです。蕎麦は腰が無くて柔らかく、蒸されたようになっているので表面は少し荒れ気味で、いわゆる喉ごしや歯応えを楽しむ種類の蕎麦ではありません。むしろ、柔らかく熱い蕎麦から立ち上る蕎麦の香りを楽しむ種類のもの。
1973年2月に「街道を行く」で紀州街道を取材中の司馬遼太郎が立ち寄ろうとしたところ、あいにくその日は定休日で、残念ながらちくまの蕎麦を食べることができなかったことが「街道をゆく (4) – 郡上・白川街道・堺・紀州街道ほか」の中でエピソードとして語られていたりもします。
このお店は、外観がまた物凄くて、一見するとただの工場のように見えます。実際に工場としても操業しているようで、店内への入り口付近では、何かの機械が粉を加工している様子が見られます。堺にお立ち寄りの際はぜひ。阪堺線宿院駅からすぐのところにあります。

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