僕の前回のエントリ「SEOの10のステップとSEO業界の裏側」に、なんとなんとあの切込隊長 山本一郎氏が釣られてくれて、「SEO業界についての住太陽氏の言説が笑える」というエントリまで上げてくれました。僕が何をそんなに嬉しがっているかといえば、それはもう彼はその筋では有名人ですから一方的に存在は存じ上げていたものの、実際にお会いしたのは数年前にインターネットサーベイMLのオフ会がソーシャルネットワーキング dot Barで行われた際(この時 dot Barは開店したばかりだったと思います)に、その会場で偶然お会いしたことの一回限りでありまして、それ以来なんの接点もないまま今に至っている、といった状態であったわけです。たいへんご無沙汰しております。その切込隊長が、何と僕のエントリに釣られてくれるとは! さらに彼は、今回の僕のエントリについて、冒頭で以下のように述べた上で、内容を展開されています。曰く、
それほど間違ったことは書いてなかった。要は、通り一遍のことを「SEO業者は要らん」などの煽り文句と組み合わせて名前を売ろう的釣りだと思われるので、盛大に釣られてみる。もし、あの文章を真面目に書いているのだとすると相当寒いし。
これ、ほとんど完全に的を射ていて、まったくもって脱帽です。かのエントリが煽りであることは完全に事実ですし、目的は売名というよりは悪戯のようなものですが、隊長の指摘は大意は外してはいません。また、文章は嘘いつわりなく真面目に真摯に書いたものですが、それは煽りの効果を最大化させるためであって、道化師が真面目に舞台に立つのと同じようなものです。
さらに、僕の提唱したSEOを野球における「バットの握り方」や「素振り」に喩えているあたりも秀逸です。
文中にある「SEOの10のステップ」はまったく合意。というか、これができていないのにSEOをやろうとすると、思ったような効果が上がらないなどの事態に陥る。野球をするには、まず「バットの振り方」を基本どおり覚えておきましょう、という意味合いにおいては完璧に正しい。
で、だんだん住氏の発言が精神論、理想論に発展していくところで香ばしくなっていくのだが、趣旨としては「これらのステップに沿って、まともなサイトをまともに運営していれば上位表示される」ので「真面目に基本通りのサイト作りをしましょう」という結論になる。ある意味で、素振りを続けていればプロ野球選手になれますよ的メソッドと言えよう。
この指摘は素晴らしいのですが、ただ僕が言いたいのは、バットの握り方や素振りは大切なだけに、それは自分でやってくださいね、ということが言いたいわけです。バットの握り方や素振りを、選手を目指す人々の替わりに別の人がやっても、それでは甲子園にも行けないしプロ野球選手にもなれません。なのに、そんなことを依頼しようとするような、隊長の言葉を借りれば「馬鹿サイト」というようなものが、まだまだたくさんあるんです。これもまた事実。もちろんそれだけではなく、選手の替わりに素振りをやりますよ、とかいうSEO業者が存在することも事実。僕がしているのは、隊長やその近辺での常識とは別次元の、言ってしまえばおそろしく低レベルな話なわけです。そのあたりは、隊長のエントリの最後のまとめとして書かれているあたりを参照。
おそらく、甲子園を目指すレベルと、プロ野球で一軍を目指すレベルとで同じSEOでも見え方が違うのだろうと。ブログ内に「SEOツール7種」とかいって「それ、どうなの」と思うものも見られ、いや、間違ってはいないどころか一般サイトのSEO対策としちゃ必要なもんなんだろうけど、それだけでは駄目であって、レベルとしては素振りなんじゃないかと。
それゆえ、SEO業者は、SEO対策を軸にウェブ上の動員を進めるための技法を「広告出稿以外で」達成する技術を持っているのであって、結局、専門でやってないとノウハウは溜まらず、代理店を経由しないと大きな仕事が取れないという、普通の経済論理が働いてウェブ2.0(笑)どころではない、というのが実態だと思う。
もう完全にその通りです。僕が支援しているのは、「甲子園を目指すレベル」であって、「プロ野球で一軍を目指すレベル」を支援しているわけではありません。甲子園を目指すレベルというのは、通り一遍の練習メニューをいかに効率よく数多く真剣にこなすか、といったレベル。プロ野球で一軍を目指すレベルというのは、通り一遍の練習メニューはすべて最高の形でこなした上で、さらにトレーナーやコーチの力を借りて独自のメニューを組み立て、ポジションに応じて自己を差別化し、場合によってはプレイヤーとしての能力以外のところでも自己をアピールしていくようなものでしょう。簡単にいうと、僕がやっているのは、隊長のいう「一般サイトのSEO対策」ってやつなわけです。
そして一般的なサイトで見た場合、SEOに関しては甲子園を目指すレベルで十分で、プロ野球で一軍を目指すレベルに達するために行うべきことというのは、SEO以外のところにある、というのが僕の考えです。例えばそれは、独自のイメージの浸透であったり、ネット上のクチコミの活用であったり、何らかの流行を作り出すことであったり、ということであったりして、SEOとは別のドメインの領域であると思うわけです。しかしそれはプロ用のメニューであって、専属のトレーナーなりコーチなりが必要です。そして、優秀なトレーナーなりコーチなりというものは、Webの仕事でいえば代理店が連れてくるものなのかも知れません。これがプロ野球の一軍のレベルでしょう。(それにしてもこの野球のメタファーは冴えてますね。関係ありませんがタイガース頑張れ!)
そして、少しばかり妙だと感じたのは以下のくだり。
正直「SEO専門と名乗っている業者のほとんどが、AdWordsやOvertureのリスティング広告の販売代理店として生計を立てている」なんて会社は存在せんと思う。
SEOを謳う唯一の上場企業であるアウンコンサルティングのセグメント情報でもご覧になってみてください。何が読み取れますか?(念のため書いておきますが、社長を含めアウンさんの主要な方々の何人かは知り合いですし、アウンさんの事業や理念について否定的な考えを持っているわけではありません。特に、信太社長はたいへんな好人物だと思っていますし、取締役の棚橋くんも同様です。この資料はあくまでも事実としての提示です)
それから、これもまた僕としては違和感を感じました。
本来のSEO業者の戦場は、素振りは確実に出来たうえで、必要に迫られて短期間でサイトを上位表示させなければ死んじゃう人たちに武器弾薬を提供することである。
(中略)
このようなことを考えている広報責任者に「おたくのサイトは素振りが」とか言ったところで「帰れ。そしてそのまま死ね」と言われるのがオチである。つまり、”いつまでに””何位以上に””問題のない手法で””サイトイメージを変えずに”対策しろ、と言われるわけだ。
これは正直おかしい思いますがどうでしょう。短期間にサイトを上位表示、とか、いつまでに、何位以上に、問題のない手法で、サイトイメージを変えずに、とかいう即効性と確実性を求められるプロモーションに関しては、すでに検索連動型広告という解決策があるわけで、単にSEOという場合、それは中長期的な施策をいうと考えてよいと思うんですよ、少なくとも現状なら。短期間に確実性を求めるなら検索連動型広告、長期的な成果を上げたいのならSEOで、予算やコストに合わせてどっちも使えばいいだけです。
とまあそんなところで、まさかこんなところで切込隊長に遊んでもらえるとは思わなかったので、お礼を込めてエントリを上げさせていただきました(僕が釣られたという側面もあるのかな)。何にしても、駄文ですみません。
追記:
前回のエントリは僕が実際に大真面目に考えていることを、煽り的な要素を多分に含めて書いたものですが、決してネタではありません。内容は多分かなり正確なもののはずです。その点は誤解のないようにお願いします。
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