検索エンジンのビジネスモデルは、以前であれば開発した検索エンジンをポータルサイトに貸し出す、というのが主要なモデルでした。しかし今では、検索エンジンの主要な収益モデルは PPC 型の 検索連動型広告となりました。検索連動型広告による収益は、その検索エンジンを使用するユーザー数や検索回数に大きく依存します。なぜなら、検索エンジンを使用するユーザー数が大きければ、それに応じたクリック数を見込めるだけでなく、そうした検索エンジンに広告を露出させるべく広告主も多く集まり、そこで起きる広告主同士の競争もまた検索エンジンの収益に貢献するからです。今では、Google はもちろん、Yahoo!(YST)も Microsoft / MSN(Live Search)も自社開発の検索エンジンを使用するようになり、ユーザー数や検索回数を向上させるべく開発を続けています。
検索エンジンの収益はユーザー数と検索回数が増加することによって向上します。まさに「ユーザーの検索体験の向上」こそが検索エンジンの利益に直結しているのです。このため、検索エンジンの開発はユーザー体験の向上を第一義としています。小さなアルゴリズムの調整によって起きる検索結果順位の変動に一喜一憂しているウェブマスターが、検索エンジンの開発姿勢に批判的になるシーンをよく見かけますが、これは間違いです。ウェブマスターもまた「ユーザーの検索体験の向上」を目指せば、検索エンジンにとっても、ウェブマスターにとっても、検索エンジンのユーザーにとっても、よい結果をもたらすのです。
そこでこの稿では、ウェブマスターのための Google・Yahoo!・Microsoft の検索エンジン開発思想まとめとして、それぞれの検索エンジンのビジョンやミッションなどをメモしておきます。Google や Yahoo! についてはインターネットに公開された資料がありますが、Microsoft(Live Search)についてはおそらくこれが初出だと思います。以下がそれらの内容です。
- Google のミッション
- 独自の検索エンジンにより、世界中の情報を体系化し、アクセス可能で有益なものにすること
- 完璧な検索エンジンとは?
- ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返すもの
- 補足
- 最近では、Google Checkout の開始を受けて「世界中の製品を体系化し、普遍的でアクセス可能なものにする」という新しいミッションが加わったとする説もあります。
Yahoo!
- RCFP 制度
- Relevance
(キーワードとの関連性を高める)- Comprehensiveness
(検索対象の網羅性を広げる)- Freshness
(検索対象となる情報の新鮮度を高める)- Presentation
(より使い勝手のよい検索結果ページの表示を目指す)
- 補足
- Yahoo! は検索サービスだけにとどまらない幅広いスローガンとして、以下の2点も掲げています。
- Life Engine(人々のあらゆる生活シーンに貢献する)
- Yahoo Anywhere(どこでも Yahoo!)
Microsoft Live Search
Live Search のビジョン
- あなたに最適な検索
- すばやく的確な答えの提供
- 複雑な質問に答える
- ユーザーの意図を汲み取る
- 幅広い検索対象
- パーソナライゼーション・プライバシー
- 統合された検索経験
2006年11月「Windows Live 記者説明会」資料より
- 補足
- Microsoft は Live 戦略の全体を総合するスローガンとして「User in Control」を掲げており、ユーザーがコントロールできる統合されたサービスを提供することを目標としています。なお統合とは、情報やソフトウエアやインターネットやユーザー同士のコミュニケーションなどを安全に、シームレスに統合することを指しています。
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